高額療養費制度を徹底解説!(2026年8月~)
病気やケガで治療が長引くと、医療費の支払いが負担になります。そうした負担を軽減するために設けられているのが「高額療養費制度」です。制度の仕組みや限度額の考え方、複数受診時の合算ルール、申請手続きのポイントを詳しくまとめました。
高額療養費制度の基本仕組み
1か月(毎月1日〜末日)にかかった医療費のうち、保険診療の自己負担額が年齢や所得に応じた「上限額(自己負担限度額)」を超えた場合、超えた金額が後から払い戻される(または窓口支払いを抑えられる)制度です。
上限額の設定: 年齢(70歳未満/70歳以上)と所得区分に応じて決まります。
https://www.mhlw.go.jp/content/001725284.pdf
対象外の費用: 差額ベッド代、入院中の食事代、先進医療や自由診療などの保険適用外費用は対象に含まれません。
家族や複数受診の費用をまとめる「世帯合算」ルール
同一月内に複数の医療機関を受診した場合や、通院と入院の両方がある場合、または同じ健康保険に入っている家族でそれぞれ医療費を支払った場合は、一定条件を満たせば自己負担額を合算して上限額の判定を行えます。
・70歳未満の方の合算ルール
レセプト(診療報酬明細書)1枚あたりの負担額が21,000円以上であるもののみ合算可能です。
病院ごと: A病院とB病院は別々に計算します。
入院と通院: 同じ病院でも「入院」と「通院」は分けて計算します。
医科と歯科: 同じ病院でも「医科」と「歯科」は分けて計算します。
院外処方薬局: 処方せんを出した医療機関の分と合算できます。
<例(上限額8.6万円の方の場合)>
A病院(入院)6万円 + B病院(通院)3万円 = 合計9万円(両方21,000円以上のため合算可)。上限8.6万円を超えた1万円が払い戻されます。
A病院(入院)6万円 + Cクリニック(通院)1万5,000円 = Cクリニックは21,000円未満のため合算できず、払い戻しはありません。
・70歳以上の方の合算ルール
「21,000円」という下限金額の制限はありません。1か月間のすべての保険診療(通院・入院・複数病院・複数診療科)の自己負担額をそのまま合算して計算できます。
長期間治療を受ける人を救う「多数回該当」
直近12か月間で高額療養費の対象となった月が3回以上ある場合、4か月目から上限額が大幅に引き下げられるルールです。連続した3か月である必要はなく、過去12か月の中で通算3回あれば適用されます。
<例(年収約370万〜770万円の方の場合)>
通常の月額上限:85,800円 +(総医療費-286,000円)×1%
多数回該当(4か月目〜):一律 44,400円
注意点: 転職・引っ越し・退職などで加入する健康保険(保険者)が変わると、これまでの回数カウントはリセットされます。
「多数回該当」と「世帯合算」の違い
どちらも医療費の負担を軽減する仕組みですが、「回数(期間)」に着目するか、「人数・件数(足し合わせ)」に着目するかという違いがあります。
※世帯合算によって高額療養費が支給された月も、多数回該当の判定における「1回」として正しくカウントされるので、世帯合算で高額療養費の対象になり、そのあと直近12か月間で4回以上になった場合は多数回該当するケ-スもあります。
2026年8月診療分から新設された「年間上限」とは?
1年間(毎年8月1日〜翌年7月31日まで)にかかった医療費の自己負担額(高額療養費を適用した後に残る自己負担分の合計)に、年間の限度額(天井)を設ける仕組みです。
年間上限を超える分は、原則として「一度窓口で立替払い(自己負担)をし、後から払い戻しを受ける」仕組みとなります。






